塩は喘息、アレルギーに効く!ネティポットで鼻うがいのやり方 | ハロセラピー
前回取り上げたハロセラピー
エビデンスがすでにある、塩の持つ効果をご紹介しつつ
ヨガでおなじみ、塩水で鼻を洗うネティポットの使い方も教えます。
鼻うがいはコロナ対策にもおすすめです。
- 東ヨーロッパやロシアで研究がされています
- そもそもなんで塩?
- ハロセラピーとスペレオセラピー
- アメリカのウェルビーイング界隈では
- 日本語での情報もありました
- 塩は喘息、アレルギーに効く!鼻洗浄のやり方
- アーユルヴェーダがおすすめする銅のネティポット
ソルトサウナに大阪で入ってきました!
東ヨーロッパやロシアで研究がされています
アメリカ国立生物工学情報センターのライブラリーに上がっていた、ハロセラピーに関する文献や臨床実験、ざっとこれだけありました。
やはり、天然の岩塩洞窟が多い東ヨーロッパやロシアでよく研究されてるみたいです。
その中から、こちらはルーマニアで行われた実験。
After the specific halotherapy treatment on patients with bronchial asthma, chronic bronchitis and chronic obstructive bronchopneumopathy, which also showed other chronic, infectious-inflammatory and allergic respiratory pathologies, triggering of anti-inflammatory (and also anti allergic) mechanisms and healing effects on inflammatory process were noted. Data acquired also proved the halo therapeutic effect causing the reduction of sensitiveness of body in patients with bronchial asthma.
気管支喘息、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、さらに、感染性炎症、アレルギー性呼吸器疾患の患者に対してハロセラピーの治療を行ったところ、抗炎症作用と抗アレルギー効果がみられた。
得られたデータは、ハロセラピーには気管支喘息の患者の過敏性を抑える効果もあると証明した。(私訳)
そもそもなんで塩?
こういう治療法自体、馴染みがありません。
というか、日本原産の岩塩ってないような、、、
形成時期は5億年から200万年前といわれ、世界の塩の生産量の約3分の2が岩塩からつくられています。
世界中には数多くの岩塩がとれる場所がありますが、日本にはありません。
岩塩大好きなのに、知りませんでした!
ハロセラピーとスペレオセラピー
そんなわけで、ハロセラピーとその元になった
スペレオセラピーについて詳しく知りたくなり、ソースの分かる、情報量の多いサイトを見つけて訳してみました。
Speleo / Halotherapy introduction
Powerful developments in pharmacology and industrial production of medicines have encouraged the growth of treatment by medication in the world today. Simplicity of application, availability, and rapid effects have given priority to pharmacotherapy. However, together with therapeutic effects, medicines can also cause serious side effects. Many allergic conditions and autoimmune processes are caused by medicines. Furthermore, treatment by medication does not restore the body’s own defense mechanisms. In light of these serious drawbacks, physicians have been turning back to the experience of natural healing factors and carrying out investigations in order to find effective medication-free treatment methods.
Halotherapy ハロセラピーとSpeleotherapy スペレオセラピー
薬理学と医薬品の工業生産のパワフルな発展は薬物投与による治療を促進してきた。シンプルな投与方法、安定した供給、迅速な効果の出方によって、薬物投与は優位性を保ってきた。
しかしながら、健康維持という面において、医薬品は重大な副作用という問題がついてまわってきた。多くのアレルギーの症状や自己免疫疾患のプロセスには、薬品が引き起こすものである。
さらに、薬品による治療は身体が本来持つ防御機能を回復させるわけではない。
そのような重大なデメリットを考慮して、医師たちは自然なヒーリングに立ちかえり、薬品を使わない治療の研究をすすめている。(私訳)
そもそもハロセラピーの“ハロ”って?かわいいけど、何?
Halotherapy (“halos” in Greek means salt) is one of such methods which is used for the treatment of respiratory conditions. Treatment occurs in a controlled air medium that simulates a natural salt cave microclimate. Halotherapy is a natural therapy that takes from Speleotherapy the main healing factor – an environment saturated with dry sodium chloride aerosol.
ハロセラピー
Halosハロスとはギリシャ語で塩という意味。ハロセラピーは呼吸器疾患の治療のために使われる手法のひとつ。ハロセラピーの治療は、岩塩窟の内部の状態を再現した、空気をコントロールした状況下で行われる。ハロセラピーはスペレオセラピーに由来する自然療法で、そのために一番重要なのは乾いた塩化ナトリウムのエアゾールを充満させることである。(私訳)
日本と違い、岩塩が採れる塩に馴染みのある場所では、昔からあった治療法だそう。
Why Halotherapy?
Salt aerosol inhalation and the use of saline solutions are not new or foreign ideas – doctors have been using saline in mainstream medicine for a long time to help relieve respiratory conditions, sinusitis problems and allergy symptoms. "Inhalation of hypertonic saline produces a sustained acceleration of mucus clearance and improved lung function. This treatment may protect the lungs from insults that reduce mucus clearance and produce lung disease,“ according to the clinical studies published in The New England Journal of Medicine, 2006;354:241-50.
ハロセラピーの効用
塩のエアゾールを吸引する治療方法は、新しいわけでも奇想天外なわけでもない。医師たちは塩を使った治療方法を呼吸器系疾患や副鼻腔炎、慢性的なアレルギー症状を緩和させるために長年使用してきた。
浸透圧の高い塩を吸引することは粘液のクリアランスと肺機能の向上をもたらす。この治療方法は粘液クリアランスと肺の疾患をもたらす損傷から肺を保護してくれる。(ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン 2006)(私訳)
アメリカのウェルビーイング界隈では
フロリダの非営利組織グローバルウェルネスインスティチュート(Global wellness Institute:GWI)は、ハロセラピーのための調査機関を設けています。
そもそもウェルネス、健康とは何ぞや?
グローバルウェルネスインスティチュートは、“ウェルネス”の定義に関しても面白い提唱をしています。
アーユルヴェーダまで遡り→中医学→西洋医学の根本とされるギリシャ医学→ホメオパシーと、人類のウェルネスの歴史大全!なんですが、すごく興味深い内容。
History of Wellness – Global Wellness Institute
日本語での情報もありました
呼吸器疾患を緩和
◇適応症は―
ハロセラピーの適応症としては次のような症状を軽減するとしている。
慢性気管支炎、息切れ、急性肺炎、気管支拡張症、夜間や運動後の咳、ぜいぜい音、喫煙による咳、粘着性の痰を伴う咳、粘液の詰り、粘膜浮腫、風邪とインフルエンザ、副鼻腔炎、鼻腔症、鼻炎と呼吸性アレルギー、工場汚染や屋内汚染によるアレルギー、扁桃腺炎、咽頭炎、湿疹、乾癬、等など様々な適応症があげられている。
◇作用の仕組み
塩エアロゾルは気道内のレオロジー(粘質)的な性質を改善し、粘膜細胞の清掃機能を正常化させる。
塩化ナトリウムは気管支繊毛のある上皮の機能を正常化するために必要であり、一方、気管支分泌液中の塩化ナトリウム含有量は低下する。塩エアロゾルの作用で呼吸管の排出機能が改善され、唾液の粘度は低下し唾液喀出が軽減される。咳が軽減され、肺の聴診状態は良好になる。
http://www.geocities.jp/t_hashimotoodawara/salt6/salt6-10-08.html
塩は喘息、アレルギーに効く!鼻洗浄のやり方
私自身、毎日塩水でヨガ(アーユルヴェーダ)が勧める方法で鼻うがいをしているんですが、そのスッキリぶりは本当に特別です。
鼻洗浄=ジャラ・ネティというインドのクリア方法のひとつなのですが
ティッシュで強めに鼻をかむ、なんてものでは得られません!
なので、“鼻や気管支の病気に塩”、というのは感覚的にもとっても納得がいきますね。
この、鼻うがいの方法を説明しますね。
鼻うがいに必要なものはこれだけ
- 鼻うがい用のネティポット
- ぬるま湯
- 塩
鼻うがいは見た目がセンセーショナル(!)ですが、やってみると簡単。
こんなふうにニコニコ余裕です。
ビギナー向けネティポット
最初に使う鼻うがい用ポットは重要です。
英語ではNeti Pot ネティポットと言います。
初心者に絶対おすすめなのは、当たりのソフトな陶器製のこういうタイプ。
安い海外製は仕上げが荒くて、鼻の粘膜に入れるのが怖かったり
設計が良くないものは、ノズルの角度が悪くて水が鼻の中を通りづらかったりします。
最初に上手くできないと習慣化しないので、はじめて使うネティポット選びは重要です。
鼻うがいのやり方 -準備編-
真水でやると沁みます。プールで水入っちゃったときと同じ痛み。
でも、小さじ1/4程の塩を入れた塩水だと、浸透圧の関係で不思議とまったく痛くないんです。
ここで使う塩はこだわりがなければ何でもOKです。
でもなるべく、海塩、岩塩などの自然な塩がいいですね。
ヒマラヤンピンクソルトは完璧です。溶けやすいパウダーなら尚良。
まず、ネティポットの中に、0.9%の塩水=人間の体液とほぼ同じの生理食塩水を作ります。0.9%の塩水は100mlの水に0.9gの塩でできます。
たとえば、このポットなら容量150mlなので、1.35gの塩を入れればいいんですが
塩小さじ1が大体5gなのでつまり小さじ1/4強
くらいのアバウトで大丈夫です。
水はぬるま湯がおすすめ。塩と水を入れたら指で適当にかき混ぜます。
シャワーやお風呂に入るときにやるのが後処理もラク。
鼻うがいのやり方 -実践編-
慣れればどんな姿勢でもできますが、最初は立ったほうがやりやすいかもしれません。
洗面所に被さるように30度位の角度のお辞儀!
背筋は伸ばしたまま!
顔は真下を見ずに、45度位斜めにします。
で、上になった片方の鼻の穴から塩水を入れていきます。
呼吸は口でしてくださいね!
鼻に入れる角度、水圧がピッタリくれば、片方の穴から入れた水が反対の穴からスムーズにスルスル出てきます。
片方が終わったら必ず一度鼻をかんで、もう一方からも。
自分で吸い込んだり、ピストン式などの機械的なツールは必要ありません!
両方終わったら、頭を下に下げ、首の力を抜いて前屈姿勢になりブラブラ脱力するといいですよ。
鼻の中に残った水が出てきます。
アーユルヴェーダがおすすめする銅のネティポット
殺菌・浄化作用のある銅製のネティポットも良いです。
青銅が無害なことは、もうずっと昔に証明されています。
プラスチックのネティポットは私も経験があるんですが、水場に放置しておくとどうしてもカビたり、衛生面が不安。
私は舌磨きに毎日使うタンクリーナー、水筒やコップもすべて銅製にしています。
台所のシンクやお風呂場、水回りすべて銅製に変えたいくらいです。ぬめりを抑えてくれますからね。
ただ、インドで買ってきた私の銅製ネティポットはちょっと作りが雑だったので先端が痛かったりします。
こういう注ぎ口が三角のものは大丈夫。